見習い内科医の日記

身体は中堅、中身は若手、あまり役に立たないある内科医のダイエット記録です

インフルエンザ

 流行のシーズンに入り、最近よくインフルエンザの話題を目にするようになりました。

 医者がインフルエンザについて書く時、大抵言う話というと

 

発熱して24時間以内は検査しても陽性にならないのに、なぜ検査してほしいと言って夜中でも受診するのか?

 

インフルエンザなんて、単なるウイルスの1つで、ご高齢の方や幼い子、基礎疾患のある人以外は大抵水分摂って寝ていれば治るのに、薬はいらないんじゃないか?

 

 この2つかなという気がします。

 インフルエンザの患者さんをたくさん診察すればするほど、自分も曝露されるから気持ちいいものではないし、この時期は発熱の患者さんで外来が混み合って忙しいから、愚痴の一つも言いたくなってしまうのは仕方ないことかなという気もします。

 でも、何とかの一つ覚えみたいにみんながみんな同じように上に書いたような批判をするんですが、これって完全に医者の目線でしか考えていない意見で、それを一生懸命説明(押し付けると言った方が適切かもしれません)したって、患者さんは辛いし効くと言われている薬もあるから治ると思って来るわけで、患者さんのニーズと全く噛み合わないから、無意味なんじゃないかなといつも思います。

 外来で診察している時は迅速検査して、陽性なら患者さんと相談して薬出すかどうか決めるくらいですが、実際にインフルエンザにかかると相当な辛さですよね。熱出てだるいし、お腹の調子悪くなったり、節々が痛くなったり、頭痛くなったり。

 自分がインフルエンザにかかった時のことを考えてみると、期待しているのは

 

症状を抑えて楽になること

仕事や学校に行っていいか判断してほしい

 

 この2つでしょうか。

 正直、タミフル飲んでウイルスやっつけようが、解熱剤飲んで楽になろうが、どっちでも楽になれば良いと自分であれば思います。タミフルは治る期間を少し早める程度だというけれど、苦しい時にはそのちょっとが大事なんだと思います。

 忙しい時こそ基本に立ち返って、特に夜間救急外来などに発熱の患者さんが受診された時などには、なぜわざわざこんな時間に来たのかという患者さんの想いをまず把握するのが大事なのかなと常々思っています。